普段は流れをほとんど止めて、苔生してる川がある。
苔生すどころか、干上がってる川がある。
途中で1つの川になる、この2本。
今日はどちらもよく似てた。 茶色い水が轟々うねりを立てて流れていた。
コンビニに向かう途中、何となく覗いてみた。 思わず「ぎゃーっ!」とか言いそうになった(言ってないけど)
「マジか?!」とは怒鳴った。これは本当。「すげー」とも言った。これも本当。
そういえば、ちょうど今わたしがいる橋の辺りには、あの四角い石(正式名は知らない。うちの近所では『豆腐石』とか勝手に呼んでたけど)が幾つか置かれている(もしか埋め込んであるか)。
あれのせいで、流れがおかしくなってるのか。白い飛沫を上げつつも、えらい勢いでどんどこどんどこ流れてくる茶色い水。
そういえば、去年だったか。ここよりももっと下流付近が工事現場で、その指揮を執っている人たちの手伝いがわたしの仕事だった頃。
所長だか工事主任だか忘れたけど、 『崩壊する頃には俺たち居ないし』 とか仰ってたっけ。
それでわたし、仮にも地元民の目の前でそういうこと言わないでくれないかなぁ...とか、やたらと居心地の悪い思いをしたんだっけ。半分くらい怒って、哀しくて、呆れて、結局何も言わなかった。
どうして今頃思い出すかな。
この、轟々流れる茶色い水のせいかな。
それとも、妙に白い水飛沫のせいかな。
普段からはなかなか想像がつかない、水位のせいかな。
それとも、その全部のせいかな。
自然災害は怖い。
誰のせいにもできなくて、失ったことへの怒りをどこにぶつけていいかわからないし。
圧倒的な力を前にして、どうすることもできずに指をくわえていることしかできないし。
平等じゃないし。